HIDDEN CHAMPION

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QUCON × DAIDO × FESN

日本スケートビデオ界の巨匠FESNから最新作が公開。

HIDDEN CHAMPION 52号からコラムを連載してくれているFESNを主催する生粋のスケーター「森田 貴宏」が、今回のコラムの題材にした「DAIDO QUCON EXHIBITION」のオープニングパーティの様子がFESNから公開された。スケートシーンが激しく移り変わる中、90年代よりその独自のスタイルでスケートビデオ界において現代に語り継がれる数多くのマスターピースを世に送り出したFESNならではの作品となっている。

 

『QUCON×DAIDO×FESN』 – FESN

ガタンゴトン。ガタンゴトン。揺れる電車に乗る僕。普段あまり地元から出ない僕にとって電車に乗ることは珍しい。だけどいつものように僕はスケートボードと一緒だ。今日はZ-FLEXのJAY ADAMSモデルのクルーザーボードにINDEPENDENTの109mmを付け、STRUSH WHEELSの64mm85Aの僕のモデルにボーンズベアリングの6ボールをセット。「う〜ん、これは良いんじゃないでしょうか?」
 それよりパーティーはPM21:00までという。「今何時だ?」「今PM20:45」「う〜ん良い感じか?」などと僕は頭の中の自分と会話しながら揺れる電車に乗って「トラノモン」を目指した。そしてとてもワクワクしていた。
 それにしても揺れる電車に乗っている僕が感じる、同じく揺れる電車に乗る多くの方々からの視線は気のせいか? 普段ボーダーのシャツを着ない僕が、お出かけスタイルでスケートボード片手に電車のドアと座席の間の特等席におっ立つこのボーダー姿の僕がそんなに珍しいのか?それとも僕のボーダー姿が似合わないから笑っているのか?「そんなことない、今日の僕は間違いなくキマっている」「これからスケートボードする僕は間違いなくキマっている」などとまたしても頭の中の自分と会話しながら僕は揺れる電車に乗って「トラノモン」というスケーターが生息する街を目指した。
 「トラノモン」「ドラエモン」「しずかちゃん」「スネ夫にジャイアン」「僕のび太」揺れる電車に乗りながら僕は一人連想ゲームで時間を潰しながらいざ「ドラエモン」じゃなくて「トラノモン」に到着。この時点で時計はPM21:00を指す。本来ならパーティーは終わってる。
 「う〜ん良い感じか?」「まあ終わっているなら大丈夫だな」「終わってるんだもんね」と。
 スワアア〜スワアア〜(プッシュの音)フュンフュンフュンフュン(パンピングの音)スワアア〜スワアア〜(プッシュの音)フュンフュンフュンフュン(パンピングの音)と僕のJAYのクルーザーはなかなか「しずかちゃん」である。いわゆるガア〜ガア〜ガア〜ガア〜(プッシュの音)というスケートボードとは走りが違うのだ。そんなことより僕が目指す場所はどこだ?勢いだけで住所を調べてくるのを忘れた。いや本当はなるべく地図を見ないで、とくに調べないで、直感に従って目的地に到着することでLIBE(生きるということ)を実感出来ることを好む僕がここにいる。スワアア〜スワアア〜(プッシュの音)フュンフュンフュンフュン(パンピングの音)と20分程トラノモン周辺を「東西南北」彷徨ったところで目的地に到着。
 「ここがキューコンだ」「何と!ガードマンが立っているのか?」「本当にここか?」「いや間違いないキューコンだ」「パーティーは終わっているはずなのにまだ沢山人がいるじゃない」「滑って良いのか?」「いや良いだろう」「だってスケーターが開催したパーティーだもの」と僕はキューコンの扉を開けるまでの時間、またしても頭の中の自分と会話。
 その後のことは特に覚えていない。気が付くとまた電車に揺られていた。ガタンゴトン。ガタンゴトンと。

column from Takahiro Morita (HIDDEN CHAMPION ISSUE #54掲載)