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BILLABONG GALLERY Featuring Artist ZACK BALANG

海とアートに導かれて。
バイロンベイから届くクリエイティブなエネルギー。

Interview: Hidenori Matsuoka
Photo: Hikaru Funyu


昨年のグリーンルーム・フェスティバルでの来日も記憶に新しい、オーストラリア・バイロンベイ在住のアーティスト「ZACK BALANG(ザック・バラン)」。

映像作家としてバイロンベイのフリーサーファーやアーティストたちの日常を収めた映像作品『RIDING THE WIND(2023)』をリリースし注目を集めた彼だが、同時に自身も、風や波から受け取ったエネルギーを表現するために、アーティストとして絵画作品も手がけるなど精力的な活動を続けている。

ここでは、昨年の夏に一時帰国していたZACK BALANG氏にインタビューした文章と共に、BILLABONGのアーティストコラボレーションラインである、BILLABONG GALLERYのプロダクトを紹介したい。




バイロンベイ在住ということですが、そこに行き着くまでの経緯を教えてもらえますか?

まず最初にオーストラリアに行ったのは21歳の時で、ワーキングホリデーでゴールドコーストっていう場所に住んでいました。週末になると、そこから車で2時間くらいかけてバイロンベイという場所によく行くようになったんですが、そのバイロンベイがすごく自分に合っていると感じたんです。なんというか、本当にヒッピーと旅人とアーティストとサーファーしかいないみたいな場所だったんですよね。その後、日本に帰ってきてからも「バイロンベイ良かったな…」みたいなマインドがずっと心の中にあって。それで7年くらい東京で生活してから、「もう1回行こう」と思い立ち、2011年にまた戻って、それからずっと居ますね。

バイロンベイにはそういう興味を惹かれる人がいっぱいいるんですね。

クリエイティブなことだけで生活している人は多分全体の2割くらいだと思うんですが、それ以外の人たちも、休み時間を使って自分の好きなことをやっている人がとても多いと感じます。そういう意味では全体の7割くらいの人は、サーフィンだったり、アートだったり、音楽だったり、クリエイティブなことをやっている印象ですね。


面白い街ですね。

そうなんですよ。 人口の密度に対してアーティストが本当に多いんです。みんなが何かをやっています。それはアートに限らず、例えばヨガでもそうだし、畑を作ったり、商品を作ったり。でも、この湘南や鎌倉の雰囲気は近いかなと思いますね。

では、絵を描き出したきっかけを教えてもらえますか?

中学生の頃とかは結構絵を描いていたんですけど、それでなにかするっていう気持ちは全くなくて、徐々に映像の方に興味が移っていきました。だけど、やっぱり撮影でアーティストをいっぱい撮るじゃないですか。そうやってアーティストを撮っているうちに、自分でももう一回描いてみようかなって思うようになったんです。そしてパンデミックのタイミングで、今だなと思って描きだしたんです。

自身で描く作品にあるテーマとかがあれば教えてください。

テーマはエネルギーですね。自分の絵を見てエネルギッシュなものが伝わったら良いなって思います。僕も普段から海でサーフィンしたりして自然からのエネルギーをもらっています。そういう感覚を絵で表現できたらいいなっていうのが根底にありますね。

今回ビラボン用に描いてもらった絵がありますが、その作品のコンセプトはどういうものですか?

自分が普段描いている絵ってそこまで海っぽくはないと思っているんです。でも今回、やはりビラボンはサーフブランドなのでサーフィンをテーマに描きました。自分の普段のスタイルを受け入れてもらいつつ、サーフィンを意識したという感じですね。



サーフィンの魅力って何か言葉にできますか?

サーフィンの魅力は、やっぱり気持ちがすっきりするところですよね。海から上がると心身ともにリセットされてるなって本当に感じます。なんて言うか、本当に幸せ感が残るんですよね。ストレスとかも全部発散されるんです。

普段バイロンベイでは、どういうライフスタイルを送っているのですか?

最初はとりあえずオーストラリアでビザを取るために8年くらいずっと飲食店で働いていました。その頃は仕事が始まるのが昼の3時過ぎだったので、まず朝起きたら波をチェックして、友達と連絡を取り合って、「何処どこ波いいよ」とか、そういう話しをしてまずサーフィンに行きます。そしてサーフィンが終わったら仲間とコーヒーを飲んで、家に帰ってパスタでも作って食べて、それから仕事に向かうような生活をしていましたね。


とても素敵な生活ですね。

ビザを取るのってすごい大変なんですけど、そういう生活が出来たからこそ続けられたのかなって思いますね。

サーフィンをやっている人たちが言う、「Know The Feeling」、“その感覚わかるよ”っていう瞬間ってありますか?

バイロンベイってサーフポイントがいっぱいあるんですけど、その中でも「ザ・パス」っていう結構中心的なポイントがあって、みんなそこに集まるんですよ。ビーチがあって雰囲気もすごくいいし、そこに行くと絶対誰かしら居るみたいな感じなんです。仕事が終わってそこに行って、サーフィンして、久しぶりな友達とばったり会って、ちょっと飯でも食いに行こうよ、とか。やっぱりそうやって友達と時間を共有するのが楽しいんですよね。誰もいない海で1人でサーフィンして、すごい良い波に乗れたなっていうのもすごい気持ちいいんですけど、なんか時間を共有できる人がいて、「今の良かったじゃん」とか、そういう「共有できる瞬間」っていいなと思いますね。

いいですね。やっぱりこれからもバイロンベイを拠点とした活動を続けますか?

そうですね。拠点はやっぱりバイロンベイにしたいと思っています。だけどやっぱり僕は日本人なので、せっかくこうしてビザが取れて行き来できる環境がやっと出来たので、日本とオーストラリアを行き来しながら文化を繋げていきたいなっていう気持ちがありますね。自分のオーストラリアの友達もいっぱい面白いアーティストがいるので、そういう人たちを日本に呼んだりもしたいですね。



BILLABONG GALLERY
ZACK BALANG COLLECTION


こちらが、ザック・バラン氏が手がけたコラボコレクション。MENSだけでなくWOMENSも展開されている。 MENS Tシャツ(1)〜(3)各5,500円、(4)7,700円、シャツ(5)9,900円、WOMENS Tシャツ(6)5,280円、(7)5,060円、トートバッグ(8)6,600円(すべて税込)

info: BILLABONG

ZACK BALANG

ザック・バラン。画家、フィルムメーカー、フォトグラファー、イラストレーター。東京都出身。オーストラリア・バイロンベイ在住。即興でプリミティブかつエナジティックに主に抽象画、壁画等を制作する。「ByronBay Surf Festival 2014」フィルムコンテストにて優勝。その後もバイロンベイ周辺のサーフィンやアート、活動家達のドキュメンタリー、企業のブランディングを撮り続ける。2023年、パンデミックをきっかけに行動を制限されたローカルサーファー達のライフスタイルを3年間に渡り録りまとめたサーフムービー『RIDINGTHE WIND』を発表し、 同年「MDP gallery鎌倉」にて初個展「Primitive」を開く。 Instagram: @zackbalang

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