Interview with
MOTAS.

タイのCURU Gallaryで開催しているMOTAS.の個展“Eternal”の展示風景とインタビュー。

ひとりで生きる強さと、誰かと共にいるあたたかさ。

MOTAS.が描く世界は、違いを抱えた存在たちがお互いを尊重し、ゆるやかに混ざり合う場所。BLEYEやOOOSといったキャラクターたちは孤独と共生のあいだで揺れながらも、その瞬間をまっすぐに生きている。

争いのない小さな世界の中で、「ただ共に在る」ということの美しさを静かに語りかけてくる。

Interview:
Ryosei Homma

──今回の個展のテーマや背景について教えてください。

現代社会では不安定な情勢が続き、それぞれの生き方や他者への尊重について考えさせられることが多くありました。私たちの生活や心身は時の流れとともに大きく変化していきますが、人間社会ではいまだに争いが絶えません。そんな中で、自分たちは何を感じ、何を伝えられるのだろうと考えるようになりました。ブライたちの世界には「こうであってほしい」という私たちの願いが込められており、その平和な時間が永遠に続いてほしいという思いを表現しています。

nontitle 300, 1620 x 1302 x 30mm, Acrylic on canvas, 2025

──MOTAS.の個展では毎回ストーリー性を大切にしているように感じます。

1枚の絵の中で前後の動作や時間の流れを表現できたら面白いと感じています。“残像”というスタイルを取り入れているのもそのためで、動きや物語性を生かす構成にしています。ひとつの作品でも、見る人によってまったく違う感想が生まれる。そこがこの表現の面白さだと思います。

nontitle 297, 1620 x 1302 x 30mm, Acrylic on canvas, 2025
nontitle 296, 1620 x 1302 x 30mm, Acrylic on canvas, 2025

──今回の作品の中で特に気に入っているものを教えてください。

『nontitle297』は、キャラクターたちの優しさが素直に表れているところが気に入っています。いつか公共の場で作品の中に登場するようなモチーフをオブジェのように展示できたらいいなと思っています。『nontitle296』はメインビジュアルでもあり、風に揺れる花やリラックスして過ごすキャラクターたちの姿、走り回る様子など、時間の経過やMOTAS.らしい空気感が感じられて気に入っています。

──キャラクターが生まれるキーや、それぞれの個性について教えてください。

日常で考えさせられる出来事があると、自然とキャラクターが生まれることがあります。偶然の積み重ねの中で形ができていくので、どのキャラクターにも“偶発的な必然”のようなものがあります。私たちは有機物・無機物の境界を設けず、時としてその狭間からキャラクターが現れます。
たとえば「PEARTH」は、花瓶をベースに足が生え、上半分が花となったキャラクターです。花瓶が涙を流すと花がそれを受け止める、お互いに支え合う一心同体の存在です。
「BLEYE」は、BOYAの両親が聴覚障害を持ち手話が日常にあったことから、「手で表現できるキャラクターを」と思い生まれました。“折れ曲がった中指”という形で生まれたBLEYEは、「たまたまそう生まれただけ」という存在であり、見た目による偏見を象徴しています。“物事は見た目ではなく本質で見る”という想いが込められています。
「SLoo」は、孤独を愛する少し恥ずかしがり屋なネコです。長年頭の中にはいましたが、ようやく今回のCURUの個展で姿を現しました。いつも皆といるわけではありませんが、仲間と過ごす楽しさを少しずつ知り、ゆっくりと距離を縮めていきます。



BLEYE

SKoo

PEARTH

OOOS

Cirk

McMA

Raun



──今回の個展で訪れたタイについて、日本との違いや印象はありましたか?

タイでは、人々のエネルギーと温かさを強く感じました。交通のスピード感や屋台の活気ある雰囲気に、日本とは違うリズムを感じました。街には日本車が多く走っていて、少し親近感も覚えましたね。建物や景観の美しさにも感動し、歩くだけで刺激を受けるような環境でした。この体験を、今後の作品にも反映していきたいと思います。

──MOTAS.はBOYAさんと、TOMOさんによるユニットです。おふたりの役割分担を教えてください。

基本的には、作品のアイデアをTOMOが考え、BOYAがラフを描きます。その後、TOMOが色彩や構成を仕上げていくという流れです。常に意見を交わしながら制作を進めています。





──なぜ絵を仕事にしようと思ったのですか?

自分たちにとって一番自然な表現手段が「絵」だったからです。ふたりとも絵を描くことが好きで、気づけばそれが自分たちの道になっていました。

──作品を通して伝えたいこと、そして今後の展望を教えてください。

MOTAS.の作品は、明確なメッセージというよりも、自分たちの頭の中で生きているキャラクターたちの“日常の情景”を描いています。見る人それぞれが自由に感じ取ってもらえたら嬉しいです。今後は、公共の場での展示を目指しています。より多くの人に作品を見てもらい、国や文化を超えて感じてもらえる機会を増やしていきたいです。





【イベント情報】

“Eternal”
MOTAS. Solo Exhibition

会期 :
2025年10月29日(水)〜 2025年12月7日(日) *月、火曜日休廊
時間 :
12:00 – 17:00
会場 :
CURU Gallery
住所 :
9-2F 52, Warehouse 30 โกดัง, 9 Charoen Krung 36 Alley, Bang Rak, Bangkok, Thailand
Instagram :
@curugallery


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