
ISSUE #76
Spring 2025
ヒップホップとグラフィティのDNAを受け継ぐアーティスト
マーク・ボーデ インタビュー
Words: Hidenori Matsuoka
Essay & Interview: Alexander Mitchell
Transrator: Ryosei Homma
—あなたのことは長い間知っていますし、あなたを通して父親のヴォーン・ボーデも知っているように感じます。ビデオを見ると、あなたは父親と多くのしぐさや行動を共有していることに気がつきました。あなたは父親とどのように違うと思いますか? また、インタビューを通して、私たちが知っていること以外に、父親はどのような人だったか教えてください。
DNAには記憶があって、世代から世代へと受け継がれるものなんだ。僕たちが同じ年齢の頃、父と僕は見た目も話し方も、絵の描き方も似ていたよ。父は仕事中毒で、大量のコーヒーとホステスのスノーボール(ジャンクフード)を食べながら、時には48時間ぶっ通しで働いていた。そういう時に父は頭の中で好きな宇宙へどこへでも行くことができ、またゼロから作り出すことも可能だった。僕の作品は多様性をベースにしており、ボーデ家だけが行くことのできる普遍的な場所の本質的な知識を共有し、新しい物語を紡いでいるよ。その点で僕たちはとてもよく似ているけど多くの部分で異なるものもあるんだ。父は非常に輝かしい人生を送ったけれど、それは短く激しいものだった。僕は子供の頃に父のセクシャリティや個人的な問題を目の当たりにし、まるでサイクロンの中心に立っているようだった。父にはなかった、人生の中心となる安定した位置にいるように今は思っているよ。僕は親友のモリーと40年以上も結婚生活を続けており、僕たちは素晴らしいチームなんだ。父はあまり安定してなかったけど、僕はクレイジーな人生を送ることなく、父からはDNAの良い部分だけを受け継いだと思っているよ。
オス・ジェメオスとともに制作した壁画