
HIDDEN WALL#20 feat. LURK
“直線と曲線のあいだで”
LURKが語る、フレームの向こう側と、動き続ける日常
2026年2月21日から、原宿のSortOneギャラリーで福岡のグラフィティライター、LURKの展示が行われる。
2021年にSORToneで発表した個展『FRAME』以降、彼の中には「構成」や「枠」というキーワードがずっと流れ続けている。
方眼紙での下描き、等幅のライン、キャラクターを“直線と曲線でつくる”という独自の方法論。同時に、ここ数年でその“方程式”から少しずつ逸脱する瞬間も増えてきたという。
展示が増えすぎた世の中に一度距離を置き、あえて制作を止めた一年。そこから再び動き出した理由、これから描こうとしているもの。ここでは、HIDDEN CHAMPION79号に掲載したインタビューをご覧いただきたい。
- Interview:
- Hidenori Matsuoka
- Article from Hidden Champion #79, Winter 2025


──今回の壁画のテーマや方向性はどんなものですか?
一枚は、普段スポットで描いているような、いつもの “グラフィティのピース” をそのまま描いた感じです。サイズ感も普段とほぼ同じで、やり方もいつも通り。もう一枚はキャラクターがメインで、直線と曲線だけで構成する僕の描き方をベースにしています。
──最近、作品では落ち着いた色も増えていますよね。
そうなんです。家に飾る作品をつくっている時に、シックな色の方がインテリアに馴染むなと思うようになって。自分のムードもあると思うんですけど。でも今回の壁画はあえて明るめにしています。

──キャラクターの作り方に“枠”や“方程式”があるというのが面白いです。
僕は普通にキャラクターを作ることもあるけど、今回のパネルのように、直線と曲線をどう組むか、という構成で作ることも多いです。2021年にSORToneでやった個展 『FRAME』で、方眼紙の枠の中で構成するというテーマがあったんですけど、それがずっと続いている感じですね。最近はその“均等” が崩れることも許容できるようになってきました。線が太い部分と細い部分が混ざっても気にならないというか、むしろエラーが面白くなることもありますね。
──そもそも下描きは方眼紙なんですね。
そうです。方眼紙に下描きをして直線を均等に引いていくんですが、どうしても “無理が生じる” 瞬間があるんです。その無理が、キャラクターのクセになる場合もあって、それもいいなと。

──展示が多い時代だから、2025年はあえて休んだ一年でもあったとか。
ここ数年で展示が爆発的に増えたじゃないですか。それを見て、自分は別にやらなくてもいいかなと思った時期がありました。でも、制作しないと生まれないものが確実にあるし、やらない期間があると逆にまた作りたくなる。今年は “続けないと良いものはできない” という気づきの一年でした。
──制作意欲を保つために、日頃やっていることはありますか?
制作意欲を保つためではないかもしれませんが、今はバスケを結構やっています(笑)。複数人で動くスポーツだから、瞬時の状況判断が必要で、それがすごく面白い。まだまだ、もっと上手くなりたいと思っています。

──今年ももうすぐ終わりますが、どんな一年でしたか?
今年の最初に一年の目標を立てたんですよ。それは “散歩” と“本を読む” ことだったんですけど、どちらも全然達成できなかったですね。散歩から得られるヒントってたくさんあると思うんですけど、行き先がない状態で “ただ歩く” という時間が全然つくれなくて。読書も目標は十冊でしたが、難しい本から入っちゃって……。余白の時間が全然ないなと感じます。余白がないとスケッチする時間も生まれないし、その反省はありますね。
──過去の作品にとらわれないようにしているとも話していましたね。
人から見た「LURKってこういう絵だよね」というイメージに寄せすぎると、新しい飛躍が生まれない気がして。過去の作品を見返すことは大事ですが、そこに引っ張られすぎるのも良くない。少しずつ変化していくべきだと思っています。
──個人的な楽しみや“推し”はありますか?
Creek、Whimsy、ALWAYTHなんかの服が好きで着ることが多いです。あとは福岡のApple Butter Store の和泉さんです。引っ越したら家が近くて、和泉さん行きつけの居酒屋「ぽん太」でよく会うようになって。三十歳を過ぎてから新しい “友達” ができるって珍しいじゃないですか。利害関係もなく、ただ一緒に飯に行ける存在。それがここ最近で一番面白い出来事かもしれません。
──今の福岡のグラフィティシーンはどんな状況ですか?
驚くほど新しい若い子が入ってこないですね(笑)。おじさん達で山奥にピースを描きに行ったりしています。でも、それはそれでめちゃくちゃいいんですよ。青春をまだ引きずっている感じで(笑)。
──今後やってみたいことはありますか?
リーガルででかい壁を描きたいですね。2024年にスペインからMina HamadaさんとZosenさんが来て、Wallshareの企画で大阪の家一軒に一緒に壁画を描いたことがあって、ああいう規模のことをまたやってみたいですね。

【展示情報】
LURK solo exhibition 『RANDOM PLAY』
- 会期 :
- 2026年2月21日(土)〜 2026年3月1日(日) ※会期中無休
- 時間 :
- 13:00 – 19:00
- 会場 :
- SORTone
- 住所 :
- 東京都渋谷区神宮前2-14-17
- Instagram :
- @sortone_fort
- *Opening reception: 2026年2月21日(土)17:00 – 20:00













