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MORTAR Gallery featuring DISKAH

東京のスケートシーンで長きに渡り活躍するDISKAHが描き下ろしたMORTAR TOKYOのためにデザイン

Interview: Hidenori Matsuoka

渋谷のストリートとハイファッションが融合したコンセプチュアルショップ「MORTAR(モータル)」が放つアーティストシリーズ第3弾に、スケーター/アーティストとして長年東京のストリートシーンを牽引し続けているDISKAH(ディスカー)がフィーチャーされることが決定。

DISKAHといえば、マーカーでのドローイングやスプレーを用いたフリーハンドの作品、さらにステンシルを巧みに使用したモンスターシリーズなど多様なスタイルで知られているが、ここ最近は活動初期である90年代に描いていた“SONONAMO”というキャラクターを復活させ、往年のファンからニュージェネレーションまで幅広く楽しませてくれている。

ここでは、DISKAHの貴重なSONONAMOが描かれたアートワークや、過去のスケート写真と共に、MORTARのために描かれたアートワークを紹介したい。

ここ最近“SONONAMO”というキャラクターを多く描いていますが、このキャラクターはどういうきっかけで生まれたのですか?
元々は90年代にふと雑誌やノートの切れ端にサラサラと描きまくってたキャラクターですね。そこから画用紙とかに描いたやつをコピーしてペーストしにいった流れが生まれたきっかけになると思います。

今回MORTARのために描いた作品について教えてください。
昨年「Downlow Gallery」の壁に描いた時くらいから漫画のコマ割りみたいな作品を描いていて、物語としては全く成立しないんだけど、吹き出しのセリフとかオノマトペの部分をその時のバイブスや好きな言葉をはめ込んだりしていました。このスタイルはどこを取っても単体でデザインとかに多用できるなと思ってたので、今回のオファーが入った時にそれを提案したら好感触だったので、いつもよりそこを意識して制作しました。あと自分は渋谷区が地元なので、渋谷にちなんだワードや数字、渋谷で経験したこととかスケボーやストリートカルチャーに影響された言葉なども取り入れてます。
  ―キリーバードという鳥のキャラクターについても改めて教えてください。
キリーバードはテレフォンドローイングで生まれたのがきっかけです。名前は後付けなんですけど、2007年くらいにこれをデザインとして起用したいとオファーを受け、世の中にデビューしました。最初は手描きチックだったんですけどその後、少しづつブラッシュアップして今の感じになりました。ちなみに2025年バージョンで第五代目となっています。

マーカー、スプレー、ステンシル、アクリルなど様々な道具で作品を制作していますが、どういう風に使い分けているのですか?
特に意識はしていないんです。その画風に合う合わないを判断して使っているくらいだと思います。あとは使っていて楽しく描けてるなって部分を大事にしてます。マーカーやスプレーを使っている時は独特の緊張感もあるし本当に楽しいです。
かつて「OWN(Original World Network)」というチームを主宰していましたが、当時どういう思いで始めたのか教えてください。
当時は個性が強い人が煙たがられる時代だったので、なんかそういう奴らを集めて何かできないかなって渡米時に思ったことがあって。それで確か、夕暮れ時にベニスビーチのパビリオンで名前を思いついて日本に帰ってすぐ始めましたね。気がつくとスケーターだけでなくペインター、ラッパー、DJ、サーファー、スノーボーダー、さらにバレリーナもサポートしてましたね。

写真作品も多く撮っていましたが、最近でも撮っていますか?
撮ってます。スマフォで(笑)。実は今、フィルムで撮った写真がメインの写真集を作るになっていますが、詳細はまだ内緒です!

スケートボードのシーンやスケーターの変化など感じますか? もしくは変わらないと感じる点などもあれば教えてください。
シーンはSNSやオリンピックの影響もあって、生態系の変化は感じます。変わらないって感じるところはスケボーを本当に愛している人たちが色んな形でオーバーもアンダーも残っていってると感じますね。

若いスケーターやアーティストにメッセージをお願いします。
偉そうなことは言えないすけど、小山くん(ヒゴビシャス)のLIFE AT YOUR OWN RISKって感じですかね。それからKEEP THE PMA & DO YOUR OWN RESEARCH って感じですね。



【アートショー情報】
“MORTAR Gallery featuring DISKAH”
会場:MORTAR TOKYO
住所:東京都渋谷区神南1-3-4 神南ビル1F [MAP]
会期:2025年6月6日(金)〜6月15日(日)
時間:11:00 – 20:00
オープニングレセプション:2025年6月6日(金)18:00 – 21:00
@haksid

DISKAH

1980年後期から2000年までプロスケートボーダーとして活動した後、DISKAH名義で作家に転向。大図実験やニューヨークを拠点とするアーティスト集団Barnstormersのメンバーとしての活動を経て現在に至る。作品の多くは独自のフリーハンドのラインをベースに、多種多様な手法を用いた印象的なキャラクターやメッセージなど、様々なモチーフを描き出している。コミカルで愛らしい作風に反し、表現の自由をコンセプトに時代 風刺やアンチテーゼ、普段口にしづらい皮肉から時事的な事柄など自身のフィルターを通して作品に落とし込む。国内外での個展やグループ展等への出展のほか、ファッション、音楽、広告への作品提供など多方面で活動を行っている。

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