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Boys of Summer

謎おおきスケート界のドリームクルーが千駄ヶ谷の『UNDER R』でポップアップストアを開催

Edit: Hidden Champion
Photo: Ryusei Sabi

「Ron Herman」が千駄ヶ谷にオープンするコンセプトストア「UNDER R」にて、アメリカ・ロサンゼルス発のストリートブランド〈Boys of Summer〉が、大勢の仲間を連れてポップアップストアを開催。会期前日となる6月14日のオープニングパーティーでは、LAでホットなバーガーショップ「Burger She Wrote」のバーガーや、日本初ローンチとなる〈OPEN BEER〉のビールが振るまわれた。今回はオープニングの様子と共に、謎おおき存在のBoys of Summerを率いる「ジェフ・カッター(Jeff Kutter)」、Burger She WroteとOPEN BEERを手がけるスケートボード界のレジェンド「ヌージ(Don “Nuge” Nguyen)」のインタビューをお届けする。

BOYS OF SUMMER ポップアップストア
会期:6月15日(土) – 16日(日)
6月21日(金) – 6月23日(日)
6月28日(金) – 6月30日(日)
時間:11:00 – 17:00
会場:UNDER R
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-6-3 1F


ジェフ・カッター(Jeff Kutter) インタビュー

ーBoys of Summerを始めたきっかけは?
Supremeの『Cherry』の撮影で、ティノ・ラゾ(Tino Razo)やジェリー・スー(Jerry Hsu)、アンドリュー・アレン(Andrew Allen)、ルーカス・ベルセッティ(Lucas Vercetti)とニューヨークへ行った時に、ウィリアム・ストロベック(William Strobeck)が撮影してる裏で自分たちも動画を回し始めたんだ。舞台裏みたいなものだったけど、夢中になっちゃって今でも撮り続けてビデオをリリースしているよ。だからこれはブランドではなくて、ただの友達の集まりでクルーみたいなものなんだ。スケートビデオのプロジェクトとして始まったけど、そこからツアーに行ってビデオを制作する資金を集めるという、ある種内輪のジョーク的な感じでTシャツやアパレルを作るようになった。それでアレクシス・ロス(Alexis Ross)に相談して、彼がアートディレクターになってくれることになった。Tシャツや印刷物、映像のタイトルなど、ビジュアルのすべてを任せているんだ。


ーなぜアレクシスに相談したんですか?
アレクシスがよく“Boys of Summer”ってタギングしていて見かけていたんだ。それはブルックリン・ドジャースの伝記のタイトルで、彼はドジャースのファンなんだ。最初のビデオを編集していると挿入歌でドン・ヘンリー(Don Henley)の“The Boys of Summer”という曲を使うのはどうだろうって考えが浮かんだ。だけどそのワードはアレクシスが良くタグしてたから使用を許可してくれって相談しに行くことにした。そしたら「ビデオのタイトルもそれにすれば?」って言われたから、「このクルーに入ってくれたらね」って冗談で答えたんだ。そしたらOKって返事で、彼がアートディレクターになってくれることになったんだよ(笑)。どんなビジュアルを作るかというコンセプトのアートディレクションを任せているんだ。ビデオの編集や出演するスケーターの選定は全部俺がやっているけど、彼の意見を聞いて、好きか嫌いかを判断してもらっている感じかな。

ービデオに出演するスケーターはどうやって選んでいるんですか?
基本的には仲がいい連中や、俺がイケてると思ったスケーターやアーティストを見つけたときに声をかけてる。今では総勢100人ぐらいの大きなクルーになっているよ(笑)。その中から20人ぐらいでこの東京トリップに来ているんだ。「Burger She Wrote」でマッシュバーガーをサーブしたり、〈OPEN BEER〉を配るヌージ、フォトグラファーのティノ、スティーブ・リー(Steve Ree)、スケーターのアンドリュー、ジェリー、スパンキー、〈Sleepwalk〉というラグを作っているクリス(Chris Gottschalk)、コラージュ作品を飾っているカリ(Cali Dewitt)など、みんなそれぞれの分野でクリエイティブなことをしているんだ。日本にはKun(野村訓一)や、今回の為に〈OPEN BEER〉のラベルを担当したKosuke(河村康介)、会場にPhoto Bookを持ってきてくれたWANTO、この「UNDER R」を繋いでくれたShuなど多くの素晴らしい仲間がいるよ。


ービデオには映画を使ったり、トリックのメイクにかかわらずB-Side的なシーンをよく使っていますよね。
最初のビデオは基本的にiPhoneで撮ったものを素材にしてビデオを制作したんだ。それをちゃんと映画館で上映したよ(笑)。制作を始めてリリースまで約1年半ぐらいかかったんだけど、古い映画の一コマを差し込んで笑える内容にしたいという思いがあった。僕がよく見ていた〈Consolidated〉のスケートビデオはよく古い映画をサンプルしてて面白かったからね。〈Boys of Summer〉のコンセプトとして、自分が好きな音楽、映画、スタイルなどをパッケージしているんだ。アレクシスのアートディレクションもイケてる企業のロゴを勝手に使ってるよ。ある意味で僕らは拝借したものでビデオを制作して、全てをフリーで視聴できるようにしているんだ。

ーでは、今回のポップアップのコンセプトを教えてください。
俺がクルーで日本に行きたいとShuに相談していたら、「UNDER R」で何かできるかもしれないってことで「Ron Herman」と繋いでくれたんだ。それでみんなで行くにはお金が必要だから、クリエイティブな仲間たちと展示をしてバーガーを売ったり、アパレルを売ることにしたよ。“Boys of Summer”ってちょっと青春みたいな感じで、みんなで楽しむパーティを開催するためにはなにをやるべきか考えた結果がこのポップアップなんだ。ここではスケートもできるし、フードもあるから日本の多くの人に来てもらってクルーと触れ合って欲しいよ!

ヌージ(Don “Nuge” Nguyen) インタビュー

―バーガーショップをオープンしたきっかけは?
3年くらい前に、飲食業界に詳しい仲間から誘われて「Burger She Wrote」をオープンしたんだ。コーディー・シモンズ(Cody Simmons)とスティーブ・リーが手伝ってくれて何気なくバーガーショップを始めたんだけど、どんどん人気になっちゃって気がつくと繁盛店になっていたよ(笑)。美味いバーガーを作るためにこだわっているけど、こんなに人気になるとは思ってなかった。それでずっとやりたかったビールブランドも始めることにしたんだ。このビールは、元々『Thrasher Magazine』のスタッフで、今はNew Belgiumで働いている友人との縁で、2年間ぐらい話し合ってパートナーシップを組み、昨年末にようやくスタートしたんだ。


ー〈OPEN BEER〉のコンセプトはなんですか?
文字通り、オープンマインドであること。これはスケートに限らず、包括性や多様性を認め、自身の全てをオープンにすることを目的としている名前なんだ。 スケートボードは誰に対してもオープンで、人種も性別も関係ないよね。〈OPEN BEER〉のコンセプトも同じで、ティノ・ラゾやアティバ・ジェファーソン(Atiba Jefferson)、アコ・ジェファーソン(Ako Jefferson)たちと一緒に仕事をしているんだ。ビールのグラフィックも友達のアーティストが作ってくれていて、ジョー・ロバーツ(Joe Roberts)、カツ(Katsu Sawada)、メリル・スミス(Meryl Smith)が第一弾としてリリースされていて、半年ごとに変わる仕様になっているんだ。今回は、このポップアップ用に河村康介がデザインしてくれたビールを配っているよ。




ー今後の目標を教えてください。
最近はゴルフにハマっていてずっとやってるんだ。他には機械をいじるのも好きで車はファイヤーバードに乗ってるよ。バイクも持っててスケーターの仲間とツーリングに行ったり、みんなでワイワイ楽しんで人生を通して笑顔でいることが目標かな。



















Boys of Summerのプロフィール

過去にSupremeで働いていたジェフ・カッター(Jeff Kutter)率いるスケートビデオのプロジェクトチーム。その活動はビデオのみの制作にとどまらず、アパレルやアーティストの支援など幅広く展開している。

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